■夢の中−戦慄!! おはようウ●コさん

夢の中で私はどこかの工場の寮で生活することになった。


私はこの会社に入ったばかりで、案内された2人共同の部屋で先輩にあいさつしていた。
先輩は気さくで豪快な漢で、同じ寮の同僚3人を呼び寄せると私にささやかな歓迎会を開いてくれた。
ビール、日本酒、サラミ、ポテチ、スルメ、
狭いこの部屋で4人の先輩が私のために酒とつまみを用意してくれた。
私はすっかり感激して涙ぐみながら先輩に言った。

「ありがとうございます。こんなこと初めてです」

「ん? なんでだ?」

「どこへ行っても“どうせすぐ辞めるだろうから”という感じで歓迎なんかされません。」

「ああ、最近そんなやつ多いからな」

「でもボクはマジメに働くんですよ」

「そうか。まあ、がんばれよ。ところでおまえどこから来たんだ?」

「あ、ボク、マニラからです」

「あ、おまえフィリピン人なの?」
夢の中で私はフィリピンから出稼ぎにきているらしい。

「なんだよ、マニラって首都じゃないか。そんなとこでも仕事ないのか?」

「あるけど、日本のほうが稼げるって聞いたんです」

「そうかもなあ・・」

「でも家賃は高いです。前はアパートを借りてましたけど、
一ヶ月分の家賃を大家さんから聞いた時“一年分??”と勘違いしました」

「ああ、世界一家賃が高い国だよ、ここは」

「そうかもです」

「おまえの家族は何人いるの?」

「両親と祖父も入れて25人います」

「25人!?」

「はい。みんな双子か三つ子で生まれたのでみるみるうちに増えたらしいです。
ボクと同じ顔した兄弟があと2人います」
みんな笑う。

「食うのも大変だな。」

「はい。だから兄弟のうちの5人は仕送り部隊です」
みんな大笑いする。

「少しはおれたちも見習わないとな。で、おまえは何人目の兄弟なの?」

「ボクは20人目です。よく名前間違われます。
小さい時は家族揃って買い物に行ってもよく迷子になりました。」

「それだけ数いるとしょうがないよな。まあ、がんばって働けよ。辛いことあったらなんでも言えよな。」

「はい。ありがとうございます。」

「ところでここの仕事だけどよく指落とすやついるから気をつけるんだぞ」

「え゛?」

「いや、機械でな。仕事はラクなんだけど単調なんだ。で、ウトウトしてる時にスパッとうっかりとな。」

「ホントですか? 怖いなぁ・・・」

「大丈夫だよ。気をつけてれば。居眠りだけは気をつけろよ」

「はい。覚えときます。」

「ここも黙って辞めてくヤツ多いんだ。たけしは黙って辞めないでね」

「そんなことしませんよ」

「よく日本に来たな。たけし、今日は飲め。」


私達は楽しく語らいながら夜遅くまで酒を酌み交わした。
みんなは酒豪で、あっという間にあたりに酒の空き缶と空き瓶が散乱していった。
私は気のいい仲間に感謝して、気持ちよく酒に酔いしれた。

気がつくと朝が来ていた。

目を覚ますと私は寮の部屋の壁際に立っていた。
どうやら立ったまま眠っていたようだ。
同室の先輩以外は自分の部屋に帰ったようだ。
部屋を見渡すと昨晩のゴミがあたり一面に散乱していた。


何か異臭がする。


ふと、右の壁際を見るとそこにその臭いの元があった。
なんとそこには、壁際一列にとぎれとぎれに産み落とされている巨大なおウン様が鎮座していた。

「げ!!」

私の顔は青ざめた。

“・・・オレがやったのだろうか・・・?”

再び先輩の顔を覗きこむ。
ぐっすり眠っている。
私は動揺して、とりあえず部屋を出た。その足で食堂に向かう。


他の誰かがやったのかもしれないじゃないか・・。
オレがそんなことするはずが・・。
いや、でも酔っぱらってやったかもしれない・・。
もし、アレを見られたらオレはこれからずっと“どこででもウン●する男”の烙印を押されてしまう!!



私はパニクっていた。
そんな私に食堂の厨房から料理長が話しかけてきた。

「おはよう、たけし。今日からだったな?がんばって働けよ」

「・・・・あ、おはようございます・・」

「なんか食ってくか? 今日はタダにしてやるよ」

「ありがとう・・でも、なんだか食欲ないんです」

「どうした。元気ないな。」



私は暗い顔を料理長に向けるとつぶやいた。
「すいません・・ボク、ここ辞めるかもしれません・・・」

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